骨・軟骨・筋肉や関節などの「運動器」は、生活するために重要な移動能力を担っています。
膝の痛みによって、長期間の安静を続けることは、骨・軟骨・筋肉や関節の機能低下を進行させて、立ち上がり、姿勢を保ち、歩くなどの移動能力の低下を招きやすくなります。
一方で「動かしすぎ」は状態を増悪させる作用があることもまた事実です。
運動器の機能維持には「適切に動かすこと」が大切であるという考え方をベースに、膝の健康を守る運動などについて解説します。
Contents
健康寿命と関節
日本人の平均寿命は、男性81.09歳、女性が87.13歳で、日本は世界トップクラスの長寿国です。(厚生労働省、令和6年簡易生命表)
一方で『健康寿命』は、男性72.57歳、女性75.45歳で、平均寿命との差(日常生活に制限がある期間)は、男性8.49年、女性11.63年と算定され、この差を縮小して健康で自立した生活を送れる期間を延ばしたいものです。
健康寿命の定義の一つと考えられる介護保険を要する原因のトップ3は、
1位:認知症
2位:脳血管疾患(脳卒中)
3位:高齢による衰弱
と報告されていますが、「要支援者」に限ると、
1位:関節疾患
2位:高齢による衰弱
3位:骨折・転倒
で、骨や軟骨や神経といった「運動器」の問題が多くなっています。
膝の不具合
特に加齢に伴う不具合の原因として気をつけたいのが、次の3つです。
骨粗しょう症による骨の弱化
手首や肩・背骨・足の付け根の骨などに起こりやすく骨折の危険性もあります。
膝や股関節の痛み
膝関節や股関節の軟骨が減ることによって発生する変形性膝関節症や変形性股関節症と言われる状態で、歩行障害の危険性もあります。
脊椎(背骨)の変形や狭窄
脊椎には神経が通っているため、圧迫や詰まるようになってくると運動機能に重大な影響が考えられます。
加齢などに伴い、多くの方が何らかの運動器の不具合を抱えており、上記のどれか又は複数の症状を合併することも少なくありません。
ロコモティブシンドローム
健康寿命の延伸実現に向けて、運動器の弱化などの障害を包括的に表す『ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)』が2007年に日本整形外科学会により提唱されました。
運動器の障害とは、加齢に伴う運動機能の低下や疾患を指します。
ロコモの進行に影響をする要因は、加齢・遺伝的なもの・運動習慣の欠如・身体活動性の低い生活習慣・不適切な栄養摂取があげられます。
ロコトレ
ロコモ予防のための運動を「ロコトレ」といい、運動機能向上を目的としたロコモ改善のトレーニングとして推奨されています。
ロコトレの目的は、歩行機能改善、転倒予防、骨折予防であることから、次の点が重視されます。
- 足腰の筋力強化
- バランス力の向上
- 膝関節や腰への負担に注意すること
これは痛いときは単に安静にし続けるというだけでなく、運動器は動かすことによる修復過程があるため、適切な負荷を与えることも重要と考えられるようになってきました。
ロコトレ運動例
片脚立ち
目を開けたまま片足立ちすることで立つためのバランス能力をつける訓練方法です。
姿勢をまっすぐにして片脚をあげて1分間キープします。
左右1分間ずつ1日3回行います。
転倒に注意し、バランスのとりにくい場合は机などつかまるものがる場所で行いましょう。
スクワット
スクワットは下肢のほとんどの筋を動員できるため、筋力強化を簡単に短時間で行うには適切な方法です。
肩幅より少し広めに足を広げて立ち、後ろにイメージした椅子に腰かける要領で身体をしずめるように行います。
立位や動作でバランスがとりにくい場合は、転倒を予防するため、机など安定したものにつかまって行います。
↓初心者向けスクワットの記事はこちら↓
太りにくい体になる!初心者向けスクワット – 美ボディクラブ紬
その他の運動
「安定して立つ」トレーニングができるようになれば、より積極的に全身を使うトレーニングも可能となります。
ヒールレイズ
両足で立った状態で、かかとを上げて、ゆっくりかかとを下ろします。
10回~20回×1日2~3セット
フロントランジ
両足で立った状態から、片方の足をゆっくり大きめに前に踏み出します。
前に出した脚の太ももが床と水平になるくらいに腰を深く下げ、身体を引き上げながら踏み出した足を元に戻します。
左右とも5~10回×1日2~3セット
さらに、日常生活の習慣として、階段を使うや、歩幅を広くして速く歩くなどの運動を取り入れましょう。
まとめ
骨折は、ギプスなどで治療する場合、その部分を動かさないことが当然の原則となります。
腰や膝が痛いときには安静にしていれば良いという印象が強いため「動かさないこと」が大切であると考えがちとなります。
しかし、運動器には動かすことによる“適切な負荷”を与えることが、修復の助けになるとの知見も明らかになりつつあります。
少なくとも日常生活レベルの活動性を極端に低下させないように、医療機関などと相談のうえで努力の継続が重要となります。
膝などの不具合に対して「動かなすぎ」「動かしすぎ」それぞれの効果とリスクを知り、運動器を「適切に動かすこと」とは何かを考え行動していきましょう。
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