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運動すると体にどんな効果があるのか?シニア世代がやるべき運動とは?

マスターストレッチ

運動することは、体力や筋力を向上させ身体機能の改善や、生活習慣病の予防、慢性的な不調改善が見込めるなど、私たちが健康に過ごすためにも欠かすことができません。

運動をすることで、体への効果だけでなく、心や脳への影響もありますが、今回は身体機能への働きを中心に解説していきます。

体の変化が気になるシニア世代にとって、運動が単に健康の維持・増進目的だけでなく、不調改善につながればと期待される方もいらっしゃると思います。

運動による体への効果や、しばらく運動をしていない方にもお勧めの運動方法なども紹介していきます。

マスターストレッチ

運動による体への影響や効果

健康づくりに有効な運動の種類は主に、有酸素運動と筋トレがあげられます。

有酸素運動の主な効果として、心肺機能の向上、体脂肪の減少、生活習慣病の予防・改善などが期待できます。

筋トレの主な効果は、柔軟性を高める、筋力を高める、基礎代謝の向上、骨を丈夫にする

などに繋がると考えられます。

持久力や体力の向上とともに、体幹トレーニングなどで体のブレを修正し日常の身体活動をスムーズに行うことも注目されています。

心肺機能の向上

有酸素運動を行うことで、心臓や肺の機能を高めて、心肺持久力が向上します。

心肺持久力が高いほど、楽に長く体を動かせることが可能となります。

中強度の運動(速歩や階段など)は、心拍数が増えて血流が増加することで「一酸化窒素(NO)」の作用で血管が拡張し、血管が広がることで血圧を下げて心臓への負担が減少します。

習慣的に運動を行うと上の血圧が5mmHg前後下がるという研究結果も出ています。この数字は食事で減塩をしっかり行うのと同程度の効果があります。

また、運動をすると、血管中のHDL(善玉)コレステロールが増えて、血管壁にたまるLDL(悪玉)コレステロールを回収して、動脈硬化が進みにくい傾向となります。

メンタルの健康維持

身体活動が楽に行える

持久力や体力の向上により、より運動の機会を増やすことが健康によく効く薬とも言われています。

日常の中の生活活動とスポーツなどの運動を合わせて「身体活動」と呼びます。

強度の軽いものとして、生活活動では立位・オフィスワーク・洗濯・炊事など、運動ではストレッチングなどがあります。

中強度のものとしては、生活活動では歩行・階段の上り下り・床そうじ・子どもと遊ぶ・庭仕事など、運動では速歩・ジョギング・テニス・水泳など、これらの動きをスムーズに行うことが可能となります。

体脂肪の減少

有酸素運動は、比較的時間をかけて行うため、ゆっくりと分解される脂肪がエネルギー源として使われやすくなります。

また、筋トレでは糖質がエネルギー源となるため、直接的な脂肪燃焼効果はあまり見込めないものの、筋肉をしっかりとつけることで基礎代謝が上がり、運動していない時も脂肪燃焼効果が期待できます。

運動などによって、肥満の予防・改善が見込めますが、脂肪は体にとって必要なものでもあるため、適正な体脂肪率を目指して取り組みましょう。

柔軟性が高くなる

ストレッチングなどの軽強度の運動で、関節や筋を伸ばし体の柔軟性を高めることが可能となります。

怪我を予防するための準備運動、運動後の疲労を回復するための整理運動として有効です。

ストレッチングによって関節の可動性が高まると、生活活動や運動しやすい状態になります。

さらに血行が促進されるので、腰痛・肩こりの解消やリラックス効果も期待できるでしょう。

脚の裏側や臀部のストレッチができます

筋力が向上する

筋肉は、立つ・歩く・姿勢を維持するなど日常的な動作をするためにも必要なものです。

そのため、筋力の低下はQOL(Quality Of Life)と呼ばれる“生活の質”を下げることにつながります。

若い方が筋力不足によって生活に支障を来すことは少ないですが、高齢の方にとっては大きな問題となるでしょう。

立ったり歩いたりするときに使う大腿四頭筋や大臀筋、腹筋や背筋など、QOLの維持に関わりが深い筋肉ほど加齢の影響で衰えやすいことが分かっています。

また、筋肉は糖代謝を行うなど、肝臓の働きの一つと同じ機能があるため、筋肉量が増えることで肝臓の負担が減少し、内臓疾患の予防効果も期待できます。

筋力はトレーニングや食事によって年齢に関係なく増強することができることから、QOLの維持・向上のためにも、無理のない範囲で筋トレを続けたいものです。

スクワット

基礎代謝の向上

基礎代謝とは、生命維持に最低限必要なエネルギーのことで、1日のエネルギー消費量のうち約60%を占めます。

筋肉は脂肪と比べてエネルギー代謝が活発なため、筋肉量が増えるほど安静時のエネルギー消費量も多くなり、脂肪が付きにくい体を目指せます。

生活習慣病の予防・改善

運動習慣を身に付けることで、生活習慣病の予防・改善につながると期待されます。

糖尿病は、血糖値の上昇を抑えるインスリンというホルモンがうまく作用せず、慢性的に血糖値が高くなる病気です。

高血圧は、上の血圧が140mmHg以上、下が90mmHg以上の場合を指し、多くの病気の原因になるとされています。

脂質異常症は、血液中の脂質の値が基準値から外れた状態を指し、悪玉コレステロール値が高い「高LDLコレステロール血症」、善玉コレステロール値が低い「低コレステロール血症」、中性脂肪の血中濃度に異常を来した「トリグリセリド血症」などが知られています。

日本肥満学会・日本糖尿病学会・日本高血圧学会・日本動脈硬化学会は、糖尿病、高血圧、脂質異常症を改善するために運動療法を推奨しており、概ね1日30~60分の中強度の有酸素運動を週3回以上行うと良いとしています。

骨を丈夫にする

骨に刺激が加わる運動を行うことは、骨粗しょう症の予防につながります。

骨は常に新しくつくり変えられていますが、このサイクルが崩れると骨がもろくなってしまいます。

その一因となるのが運動不足で、適度な運動による刺激が骨に伝わらなくなることで、骨をつくる過程でのカルシウムの利用効率が悪くなってしまいます。

骨への刺激は重力の影響を受けにくい水中運動よりも、ウォーキングやジョギングのような陸上で行う運動が適しており、筋トレもまた腱を通じて骨に刺激が加わるので、骨粗しょう症予防に効果的です。

運動器(関節など)の機能低下を防ぐ

運動は「ロコモティブシンドローム」防止につながります。

ロコモティブシンドロームとは、運動器に障がいが起こり、日常生活に何らかの支障を来している状態のことで、リウマチなどの病気の他に、加齢によって機能低下が進行します。

運動器とは、骨や関節・靱帯・脊髄・筋肉・腱・末梢神経など、体を動かす役割を担う器官で、運動器はそれぞれが連携してはたらくため、一つでも十分に機能しないものがあると体をうまく動かしにくくなります。

しかし、ロコモティブシンドロームは運動習慣を身に付け、運動器の機能低下を防ぐことで進行を止めることも可能です。

日頃から意識的に体を動かして、運動器の機能を維持・改善を目指しましょう。

痛みや疲労を軽減したい

とりあえず運動するは要注意

運動には多くの効果がありますが、やり方を間違えると思った効果が得られないばかりか逆効果となってしまうことがあるので、次のポイントを考慮して安全かつ効率的に行いたいものです。

目的を明確にする

運動の効率を上げ、効果を目指すにはトレーニングの目的、意義をよく理解した上で、それに合った種目を選ぶことが重要です。

ダイエット・ボディメイクやメタボ対策など、体脂肪の減少を目的とするなら、有酸素運動を優先的に実施した方が良いでしょう。

障がいの予防など丈夫な身体づくりには、柔軟性や筋力を高める筋トレが向いています。

特に下半身の強化には、骨も丈夫にする陸上での運動が適しています。

無理をせず続けられる範囲で行う

運動を継続することで効果を得ることも出来ますが、中止すると失われてしまいます。

そのため、運動のモチベーションを維持して、自分が無理なく続けられる範囲での実施を心掛ける必要があります。

逆に体力に自信がある方や、モチベーションを高く保てる方は、運動をやり過ぎてしまうことで、慢性的な痛みや不眠・入眠障害につながる可能性もあります。

安全のためにも、運動の強度や頻度は自分の能力に見合ったものにしましょう。

体に何らかの異常を感じたら無理をせず、休むことも必要です。

客観的な視点で指摘してもらえるパートナーやトレーナーがいると心強いですね。

運動が健康に良い

栄養や休養も考える

通常よりも負荷をかける筋トレをすると一時的に筋組織が破壊されるものの、24〜72時間ほどで徐々に回復していき、元の状態より強くなります。

筋肉の回復には、たんぱく質やビタミンなどの栄養が不可欠となります。

また、十分な休養(体を休める、睡眠をとる)をとり、体の回復をしていかないとケガのリスクが高まります。

生活習慣病全般を予防するために推奨される運動量・身体活動量は以下の通りです。

18〜64歳の方の場合、身体活動を1日1時間、そのうち息が弾み汗をかくレベルの運動を週に1時間

65歳以上の方場合、身体活動を毎日40分

※厚生労働省が設定している「健康づくりのための身体活動基準」

シニアにおすすめの運動

加齢や運動不足に伴う体力低下・筋力の衰えは、肩こりや腰痛・関節痛といった不調の原因となりかねません。

老後の健康不安は、何もしなければ私たちに共通の課題となってしまいます。

人生100年時代の健康寿命を守るためにも自分に合った運動を考えていきましょう。

有酸素運動

「有酸素運動」は比較的負荷が軽い運動で、エネルギー源として体内の糖質や脂質と共に酸素が使われます。

代表的な有酸素運動には、以下のようなものがあります。

  • ウォーキング
  • ジョギング
  • ラジオ体操
  • サイクリング
  • 水泳
  • ヨガ
  • ダンス

など

有酸素運動としてのヨガ

有酸素運動は誰でも実践できる運動が中心となり、怪我のリスクも低いため、あまり運動をしない人でも始めやすいものです。

高温・多雨や極度の寒冷など運動環境に左右されにくい室内での運動も継続しやすいものと考えられます。

筋力トレーニング

「筋トレ」は筋力や筋肉量を高めるために繰り返し行う運動で、筋肉を構成する筋繊維が回復するときに少しずつ強く太くなるようにアプローチしていきます。

筋トレには以下のようなものがあります。

  • 腕立て伏せやスクワット・つま先立ち運動など自重を使って行うもの
  • 重りやバネなどの道具を使って行うもの
  • 専用のマシンを使って行うもの
トレーニングメニュー紹介

筋力トレーニングを行なえば、姿勢の維持に必要な筋力を鍛えられるほか、心機能にも良い影響を与えることが可能です。

ただし、あまり負荷を高くかけすぎると、怪我や事故のリスクが高まるので加減に注意しましょう。

体幹トレーニング

インナーマッスルの緩みや弱化をカバーしていく運動です。

  • 呼吸と連携する方法(ドローインなど)
  • スタティックトレーニング(プランクなど姿勢保持)
  • ダイナミックストレッチ(動的なアプローチ)
  • バランストレーニング(片足立ちなど不安定な状態で行う)

など様々な方法があります。

『ピラティス』などエクササイズ化された運動方法も、初めての方には取り組みやすいものです。

ピラティス

まとめ

運動は食事と異なり「やらない」選択も可能ですが、座っている「不活動」の時間が長いほど、健康に良くないことがわかってきています。

50歳~79歳の女性7万人を追跡したアメリカの研究(Am Coll Cardiol.2005)では、1日1時間歩く程度の身体活動をしている人たちでみると、1日10時間以上座っている人は、心筋梗塞などの虚血性心疾患のリスクが高くなっています。

立つ・歩く・家事をするなどの生活活動とともに、目的に合わせて行う適切な運動習慣が大切です。

ヨガでリラックス

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この記事の監修者

美ボディクラブ紬 代表 磯崎盛彦

美ボディクラブ紬 磯崎 盛彦

滋賀県大津市と高島市にある“美ボディクラブ紬ヨガ・ピラティススタジオ”の共同代表。40代で習慣的に運動を始め、50代でヨガインストラクターとなる。運動指導と並行してインド政府公認YAIヨガマスター、FTPマットピラティス(アドバンス)、タイ古式マッサージなど健康に関わる学びを続けています。現在は、健康を目指す専門家としてパーソナルトレーナーとしても滋賀・京都を中心に活動中。